日本物理学会領域7関係者各位
2009年10月8日
日本物理学会では2007年より若手奨励賞を設けて、優れた研究を論文および物理学会で登壇者として発表した若手研究者を表彰してきました。領域7では本賞をさらに有効に活用し、より多くの若手研究者が意欲的に研究に取り組める一助とするために、本賞の領域規定および募集方法の改善に取り組むことになりました。
以下に、改善案作成のために2009年9月2日から9月23日にかけて実施した「若手奨励賞の募集形態に関するアンケート」の集計結果を報告いたします。本アンケートにご関心を持って頂いた方々、ご協力頂いた方々に感謝いたします。
本アンケートの結果を参考に、領域代表・副代表・世話人の間での議論、ならびに選考委員会にて具体的な改善案を模索していきたいと思います。
領域代表 | 鈴村順三(名大院理) |
領域副代表 | 谷垣勝己(東北大院理) |
世話人 | 竹谷純一(阪大院理) |
| 吉野治一(阪市大院理) |
| 若林克法(物材機構) |
| 近藤髣S(東大院総合) |
回答者の年齢
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回答者総数は27名であった。年齢分布は賞の対象年齢(37歳以下)に相当する30代が最も多かった。
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推薦制度の是非について
[Q1] 推薦制度(自薦・他薦のあり方)をどのようにすれば、若手奨励賞をより意義のあるものし、応募者を増やすことができると思いますか?
- グループ代表者による推薦の義務化
- 過去の領域代表者や世話人に推薦を強く依頼する
- 利害関係者による推薦を禁止
- 自薦のみにする
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2の「領域代表・世話人経験者による推薦」、4の「自薦のみ」が比較的回答が多かったが、特に1つの案への集中は見られなかった。特に変更せず「現状維持」という回答もあった。
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[Q2] 問[Q1]で, 1を選択した方に伺います。グループ代表者として適当なものはいずれをお考えですか?(複数回答可)
- 大学・研究機関の研究室の代表者
- 大型研究プロジェクトの代表者
- その他
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本質問への回答者は6名のみであった。「その他」への回答はなかった。
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[Q3] 他薦を促すために、講演者が講演概要に若手奨励賞応募対象者であることを示すロゴを表記することに賛成ですか?
- 無回答
- Yes(賛成)
- No(反対)
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賛成と反対が概ね拮抗した。
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[Q4] 自薦を促すために、講演申込み時に応募の意志の有無を記入してもらい、発表後に領域代表から自薦を依頼することに賛成ですか?
- 無回答
- Yes(賛成)
- No(反対)
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賛成と反対が概ね拮抗した。
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[Q5] 自薦の場合応募者には、推薦書の代わりに「今後の将来構想や抱負」を提出してもらうことに賛成ですか?
- 無回答
- Yes(賛成)
- No(反対)
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賛成がやや上回った。
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応募書類の有効期限の延長について
[Q6] 応募書類の有効期限を複数年化することに賛成ですか?
- Yes(賛成)
- No(反対)
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賛成が多数であった。
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[Q7] 前問[Q6]で賛成の方に伺います。有効期限を複数年とする場合、何年が適当だと思いますか?
- 2年
- 3年
- 候補者の年齢が、受賞規定の制限に達するまでの期間
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「2年」もしくは「制限に達するまで」が拮抗した。
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応募手続きの簡素化について
[Q8] 領域7用の応募書類テンプレートを作ることに賛成ですか?
- 無回答
- Yes(賛成)
- No(反対)
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賛成が多数であった。
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その他の意見
設問への回答以外に頂いたご意見を以下に掲載します。個人が特定できる内容は削除させて頂きました。
- Q1に関して:推薦の義務化をしなくては応募者が集まらないくらいであれば、受賞者数を減らすなどの処置をした方がよいと思います。
Q5に関して:「自薦書」でもよいわけですから、「推薦書」のかわりに、は適切ではないように思います。また、「今後の将来構想や抱負」は、これまでの成果に対しての賞ですので、不適切に感じます。
- 若手に「有力研究室やコネのある人以外は応募しても無駄だ。」と思われない方策が必要かつ有効と思います。
- 「何でも自由に元気よく」がよろしいかと思います。ただし、領域代表、副代表、世話人は、事あるごとに応募を呼び掛けてください。それでも応募が集まらない場合は、思い切って世話人=若手賞でよろしいかと思います。
- 奨励賞をもらうと、会誌に記事を書いてもらうなどもっと、もらってよかった賞にすると良いと思います。応募を増やすには、セッションの司会をした人などから良いと思う仕事を報告してもらってはいかがでしょうか?賞の応募が少なくても、内容がよければいっこうに問題ないと思います。審査の過程が Webページなどにあると良いと思います。
- 若手研究者の多くはそのとき行っている研究自体を面白いと感じており、それ一筋になってしまい、自分のアピールより研究のアピールに一生懸命で若手奨励賞を全く気にしていない人が非常に多いように思います。そこで若手奨励賞を本来の意義のとおり行っていくためには、数多くの他薦を募る必要があると思っております。ただ、義務化により硬直化することなく、面白い研究を行っていると感じた人を自他グループ関係なく挙げて行くことで、多くの推薦が集まるようになれば、従来推薦までにかかっていた時間を、候補者の選定に振り分けることで良い賞となるように思います。
- 受賞者を厳選するという意味で、受賞者数の上限を応募総数の半数以下とするというのはいかがでしょうか。現在は3人が上限ですが、たとえば応募者が5人でしたら2人しか受賞しないということです。
- 無理に推薦者を増やして賞のレベルが下がることを危惧します。該当者がいないならば受賞者のいない年があっても構わないと思います。
- 誰もが納得できる選出方法に収束することを願っています。上記のアンケートでは私見で書かせていただきましたが、それほど自信がある回答ではないことをご了承ください。
- ご努力に敬意を表しますが、このようなアンケートは 物事を進める上であまり有効とは思えません。世話人などが工夫していけばよいと思います。
- 若手研究者がグループ代表の許可を得る必要があったり、グループ内の同僚・先輩に気兼ねしたりすることは自薦にあたって大きなハードルとなり得ます。自身の研究に対する自負に基づき、誰に気兼ねすることなく自由に自薦できる形式を整えることが望ましいと思います。